夢追う全ての人へ 映画【ソウルフル・ワールド】レビュー
なんとも生きづらくなった現代社会。
生きる意味って何だろう。
今の人生つまらないな。
自分って結局何がやりたかったんだろう。
誰もが不安を抱えて、
将来は薄暗く見えない。
そんな気持ちが落ちやすい今だからこそ
観てほしい作品があります。
映画『ソウルフル・ワールド』
『ソウルフル・ワールド』が良すぎた件について。
どうも。
お久しぶりです。showです。
みなさん、入ってますか?
ええ、
Disney+ ですよ!!
入ってない?入る意味が分からない?
なんてことを言うんですか。
これまでのディズニー映画はもちろん、
ピクサー作品、マーベル、スターウォーズ、ナショナルジオグラフィックなどなど!
長編だけでなく、短編も!
そして、ここだけでしか見ることができない作品まで盛りだくさん!
先日、劇場公開が中止され、配信のみとなった『ムーラン』も今は加入さえしていれば、見放題なんです!
とまぁ、こんなのcmで見飽きるほどやってるから、皆さんご存じですよね。
でも、これだけは言わせて!!
ソウルフル・ワールドは見なくちゃ損!!
もう一度言いますよ、
ソウルフル・ワールドは見なくちゃ損!!
最近、めっきりと更新をしなくなった私がついパソコンに手を伸ばしたくなってしまう、そんな魔力(魅力)がそこにはあったんです。
ということで、今回は久しぶりに一本の映画を単発でご紹介!
※showには一銭も入ってきません。
映画『ソウルフル・ワールド』とは
2020年12月25日disney+にて独占配信された
ディズニー&ピクサー史上最も深い感動の物語。
disney+に加入している人であればもちろん、見放題です。
あらすじ
舞台は夢追う者が集う街ニューヨーク。
物語の主人公はジャズピアニストを目指しながらも中々夢を掴むことができず、音楽教師をしているジョー。
レッスンを受け持つ生徒の意欲は無く、典型的な冴えない音楽教師の彼にある日ビックチャンスが舞い込んでくる!
それは、著名なミュージシャンのバンドメンバーに欠員が出たため、代打でショーに出てほしいという依頼だった。
この仕事がうまくいけば、夢であるジャズピアニストとしての道が開ける!とウキウキの彼だったが、その直前で工事中のマンホールに落ちてしまう。
彼が迷い込んだのは、ソウルたちが地上に生まれる前に個性や才能、性格など、どんな人になるか決める、「ユーセミナー」という不思議な世界だった。
そこで22番と呼ばれる、地上に不信感を抱き、生きたくないと何百年もその世界に居座り続けているソウルに出会う。
彼女は自分のやりたいことや好きなこと「きらめき」を見つけられずにくすぶっていたのだ。
ひょんなことからジョーに協力することになった22番。
22番はジョーと過ごしていくうちに人生の「きらめき」を感じるようになっていく。
反対にジョーは22番から、今まで見えていなかった「きらめき」を学ぶのだった。
登場キャラクター
ジョー・ガードナー
この物語の主人公。
ジャズピアニストを目指しているが、中々夢を叶えることができず、今は子供たちに音楽を教えている。
夢を掴む直前でマンホールに落ちてしまい、生死を彷徨い、ユーセミナーという生まれる前の世界に迷い込む。
ジャズピアニストの夢を母から反対されている。
22番
ユーセミナーという生まれる前の世界で何百年も居座り続けているこじらせソウル。
「きらめき」が足りず、生まれるために必要な通行証が完成されていない。
自分の好きなこと、やりたいことを見つけられずにいて、人間として生きたくないと考えている。
まず一言
テレビやウェブ上で上がっている予告編を見た時に感じたのは「『インサイド・ヘッド』に設定被ってね?」ということでした。
ただ、これは全く違う。
というより、設定自体、両作品で矛盾していると言ってもいいくらい違うんです。
子供向けの作品だと思って油断してみたらとんでもない目に遭いますよ。
この作品は家族映画の仮面を被った
超大人向け映画です。
なにが良かったのか
さぁ、ここまで『ソウルフル・ワールド』の概要をさらっと紹介しましたが、ここからは私がこの作品の魅力に憑りつかれた要因を紹介していきます。
①設定が秀逸
今回の主な舞台は前述したとおり、生前の場「ユーセミナー」です。
ユーセミナーとは生まれる前の魂(ソウル)に感情や個性、本質を決定づけていく場所です。
例えば、このソウルは自己中な性格、あのソウルは臆病な性格で、向こうのソウルは意地っ張りな性格で、、、みたいな感じで各ソウルごとのパーツを与えていきます。
そのパーツの最後が「きらめき」と呼ばれるもので、すでに死んでしまったソウルをメンターとして二人で一緒に「きらめき」を見つけていくのです。
最後のパーツである「きらめき」を手に入れるとそのパーツは地上の世界へと通じる通行証となり、そのソウルは命を宿すことができるという設定です。
文字にするとなんか複雑で難しそうですが、ここはさすがディズニー&ピクサー。
小学生でもすっきりわかるようにアニメーションで説明してくれます。
今までこんな設定ありました?
なんか、『ボス・ベイビー』で似たような描写を見たような気はしますが、ここまで深く掘り下げては無かったですし、それ以外で生前の個性付けの設定は見たことがありませんでした。
全く持って新鮮な気持ちで見ることができて、そこに違和感を感じさせない構成力、説明能力に脱帽です。
そして、なんといっても「ゾーン」の設定は圧巻ですね。
物事に集中している状態を「ゾーンに入る」とよく言いますが、そのゾーンに意味を求めてしまうと病んでしまう。
「趣味に意味を求めると義務になる」という言葉には額面以上の重みがありますね。
この「ゾーン」の詳しい設定は是非作品でお確かめください。
②両極端な二人
あらすじでも書いた通り、この作品は「ジョー」と「22番」のお話です。
二人の出会いを簡単に書くと、
夢を叶える直前でユーセミナーに迷い込んでしまったジョーは、メンターとしてソウルに「きらめき」を与えて完成した通行証を奪って現世に戻る作戦を思いつきます。
ただ、ジョーの担当となったソウルはあのマザー・テレサやガンディー、リンカーンなど数々の偉人がきらめきを見つけられずに挫折した超々問題児(魂)22番だったのです。
ジョーは22番の通行証が欲しく、22番は生まれたくないから通行証を捨てたいと奇妙にも二人の利害が一致して、22番の「きらめき」を探す旅に出るといった感じです。
早く現世に蘇って夢を叶えたいジョーと、やりたいことやワクワクすることが見つからず生まれたくないと思っている22番。
この両極端でお互いの考えが理解できない二人のバディ映画なんです。
③緻密に計算された音楽
この作品は主人公がジャズピアニストというのもあって音楽にすごい力を入れています。
本当に力を入れているかはわかりませんが、入れてる気がします。
登場人物が音楽を奏でる映画は特に音楽には気を使う必要があります。
だって、楽器弾くのが超上手いキャラクターなのに、観客がその演奏をすごいって思わないと違和感に繋がっちゃいますからね。
しかも、この作品はアニメーション。
実写に比べて臨場感を出しづらく、フィクションに捉えられてしまうため、より緻密に作戦を練る必要があるのです。
この作品では現世(ニューヨーク)とユーセミナーを行ったり来たりしますが、その舞台ごとに使われているBGMのカテゴリーが変わっているんです。
現世ではジャズミュージックが流れ、ユーセミナーでは電子音がメインとなった音楽が奏でられています。
こういう細かい気遣いで作品の面白さは全く変わってきます。
中でも私の一押しシーン&BGMは、
万物の殿堂で22番のきらめきを探すシーンです。
そこでの音の遊び方が本当に楽しいです。
こういう所も是非気にしてみてくださいね。
そして、オープニングは必見。
すぐに心奪われます。
④あまりにも重すぎるテーマ
この作品の軸となるテーマは
「生きる意味とは」。
皆さんも一回は考えたことがあると思います。
自分はなんで生きているんだろう。
何をするために生まれてきたんだろう、と。
この作品はその考えの根幹を覆す作品になっていると思います。
作中で22番はジョーに「人生に生きる価値はあるのか?」といった言葉を投げかけます。
人生の本質ともいえる、人生の「きらめき」を探す物語でまさかの元も子もない発言です。
ただ、『ソウルフル・ワールド』を観ると、この質問の自分なりの答えが出ると思います。
ネタバレになってしまうので詳しいことは記述しませんが、どんな形であれ、自分の人生を改めて見つめ直す良い機会になるのではないかと思います。
就職活動などでよく耳にする「個性」。
個性を重んじる現代社会にある意味メスを入れたような作品です。
最後に
いかがでしたでしょうか。
ディズニー&ピクサーが送る傑作、
『ソウルフル・ワールド』
のご紹介でした。
ファミリー映画とは思えないほど深いテーマを提示してくれる本作は、このうつむきたくなる世の中に光を照らしてくれる素晴らしい作品になっています。
『トイ・ストーリー』から始まった22作品を
観て育った我々の化身である22番。
そんな22番が人生の本質を見つける物語。
人生なんて最初から意味なんてないんだ。
ピザが美味しかったり、音楽に心酔わせたり、落ちてきた木の葉に綺麗だなって思ったり、そんな当たり前のようなものが人生のきらめきなんだ。
あくまでもこれは私なりの解釈です。
もし、私が親になったら絶対子供にこの作品を観させてあげたいと思っています。
子供の頃だと何が何だか分からないかもしれないけれど、それが大人になっていくにつれて理解していくっていうのもなかなか粋だとは思いませんか。
誰もが考えたことがある、人生の意味。
そんな重いテーマを軽やかなジャズに乗せて。